奥村昭夫と『シネマ・ヴォワイアン通信』のこと

奥村昭夫と『シネマ・ヴォワイアン通信』のこと

シネマ・ヴォワイアン通信 No.3『猶予もしくは影を撫でる男』『三人でする接吻』

「記憶の蔵 映画ポスター市」も、残すところあと2日間。
最終日(4/29)は「上馬場健弘監督作品上映会」のみの開催なので、じっくりご覧いただけるのは、明日(4/26)が最後です。パンフレットや紙モノも少しずつ追加してますので、ぜひご来場ください。

さて、今日ご紹介するのは、そんな追加補充の中の一冊。現在はゴダール本の訳者としてその名を知られる奥村昭夫が、前衛的な自主映画作家だった頃の記録です。全体の半分ほどは奥村と宮井睦郎との対談で、東大劇研で芝居をしていた奥村が映画を撮りはじめる経緯や、なぜ映画をつくるのかということについて、かなり突っ込んだ会話がなされています。たとえばこのような発言など。

映画にもう一つの機能を持ち込みたいってことなんだ。作る側は作る側で自分の立場を明らかにし、見る者に問いかけるというようなね。

『シネマ・ヴォワイアン通信』第3号奥付


奥村昭夫関係ではもう1枚、1976年に新宿のアドホックビルで開催された自主映画祭「フィルム・タイムライブラリー」のチラシもあります。奥村の『猶予もしくは影を撫でる男』は、足立正生の『銀河系』との2本立て。ほかにも、萩原朔美&粟津潔、大林宣彦&ドナルド・リチイ、松本俊夫&寺山修司、田名網敬一&かわなかのぶひろ、など、魅力的な組合せが並んでいます。裏面には全員のプロフィールも載っていますが、そのなかから奥村のものを引用しておきます。

奥村昭夫 67年に制作グループ “シネマ・ヴォワイアン” を結成。その第一作『猶予もしくは影を撫でる男』は、第一回〈草月実験映画祭〉にてグランプリを受賞。以後『三人でする接吻』『狂気が彷徨う』と問題作を相次いで発表。先日上梓された『気狂いゴダール』の訳者でもある。

 「フィルム・タイムライブラリー」(表)  『気狂いゴダール』(奥村昭夫 訳)


最後に。
奥村昭夫については、高崎俊夫さんの「映画アットランダム」にて、多くのことを教わりました。
未読の方は、ぜひ。
http://www.seiryupub.co.jp/cinema/2012/03/post-41.html