平野甲賀リトグラフ

2018年2月15日から4月1日まで、ウィンドウをつかい、平野甲賀さんのリトグラフのミニ展示を行いました。至近で見る甲賀さんの文字は今にも動き出しそうですし、リトグラフならではのインキののりに迫力を感じます。
リトグラフは、水牛楽団のポスターのほか、実際に書籍として刊行された装丁のデザインと、甲賀さんによる架空の装丁とあります。書籍になっているものも、リトグラフにするときに新たに手を加えられたものもあります。たとえば、『ウィリアム・モリス研究』はリトグラフでは、書籍になかったきれいな地模様がほどこされ、巻数の数字もデザインが変えられています。画像はすべてクリックで拡大します。
リトグラフは販売しております。通販も承りますので、〈お問合せフォーム〉よりお気軽にお訊ねください。
店頭からは下げましたが、お声がけいただければ実際にご覧いただくことも可能です。ただし店員が一人しかいないときなど、タイミングによってはご対応できないこともございますので、事前にご確認のお電話をいただけますと助かります。

“その工房に据えられているリトグラフの自動機は1938年パリ製だった。自分とおなじ誕生年のとても理解しやすい亜鉛板のオフセット機だ。動かせばトンボなんぞはおおいにズレそうだ。子供のころよく目にした、ヤレ(使えない印刷物)のような刷り物。しかしどうやらぼくはこのほうが性に合ってる。こだわりのない、そして思惑どおりにはならないぞといった、なにか平然たるものを感じるのだ。架空装丁は、過去好きだった本を気ままに仕立てるつもりだったが、むずかしいもんだ、ついかしこまってしまう。それに展覧会を見た人が「これ、本屋に買いにいったけど、なかったぞ!」の苦言にはまいった。ご迷惑かけました。”(『平野甲賀の仕事 1964-2013 展』図録より)

〈ポスター〉

 

水牛楽団 カラワンコンサート
リトグラフ 1991年 36.5cm×25.7cm(以下すべてサイズ単位:cm)

〈実際に書籍になっている装丁〉

 

『本郷』木下順二 講談社(1983年刊)
リトグラフ 1991年 19.0×16.0

 

『袋小路の休日』小林信彦 中公文庫(1983年刊)
リトグラフ 1991年 16.7×13.2

 

『文学的回想 犀の本』長谷川四郎 晶文社(1983年刊)
リトグラフ 1991年 17.8×11.5

 

『ウィリアム・モリス研究』小野二郎著作集 晶文社(1986年刊)
リトグラフ 1992年 26.6×16.5

 

『山猫の遺言』長谷川四郎 晶文社(1988年刊)
リトグラフ 1991年 20.6×23.5

 

『完本 読書人の壼中』谷沢永一 潮出版社(1990年刊)
リトグラフ 1991年 20.0×17.5

 

『ロシア・アヴァンギャルド』第4巻 構成主義の展開 国書刊行会(1991年刊)
リトグラフ 1991年 21.5×17.0

 

『ぼくは浅草の不良少年 実録サトウ・ハチロー伝』玉川しんめい 作品社(1991年)
リトグラフ 1991年 20.0×15.5

 

『鎌田慧の記録』第1巻 日本列島を往く 岩波書店(1991年刊)
リトグラフ 1991年 20.0×16.9

 

『胃袋を買いに。』椎名誠 文藝春秋(1991年)
リトグラフ 1991年 19.9×18.1

 

『東京読本』枝川公一 西北社(1990年刊)
リトグラフ 1991年 20.0×18.0

 

『瓶の中の旅愁 小説の特異点をめぐるマカロニ法師の巡礼記』小林恭二 福武書店(1992年刊)
リトグラフ 1992年 20.3×17.8

 

『俳優論』草野大悟 晶文社(1992年刊)
リトグラフ 1992年 19.7×16.5

 

『私語り 樋口一葉』西川祐子 リブロポート(1992年)
リトグラフ 1992年 20.4×19.0

 

〈架空装丁〉

 

『三人の兵隊』
リトグラフ 1994年 22.8×17.3

 

 

『兵士シュベイクの冒険』上巻・下巻
リトグラフ 1994年 各21.2×17.5

 

『歴史の暮方』
リトグラフ 1994年 21.0×18.1

 

『不連続殺人事件』
リトグラフ 1994年 18.5×14.1

データなどは、主に『平野甲賀の仕事 1964-2013 展』図録(2013年/武蔵野美術大学)、『idea アイデア』345号(2011年3月/誠文堂新光社)を参考にしました。リトグラフ制作年は、リトグラフにサインされている年を書いています。