宮里千里 録音『久高島 イザイホー』と宮里綾羽 著『本日の栄町市場と、旅する小書店』

 年末に大竹昭子さんから、ほうろうに合うと思うのよ〜と、音源集CD『琉球弧の祭祀 久高島 イザイホー』を戴きました。

 いつの間にかがんじがらめの重たい衣が一気に剥がされ、魂に一直線に飛び込んでくる祈り、歓び、詞、息遣いに、鳥肌が立ちました。

 さっそく大竹さんに連絡し、録音した宮里千里さんと大竹昭子さんのお話会を6月に古書ほうろうで開くことになりました。

 そんな流れから、1月に入ってからは、耳から『イザイホー』、お昼のお伴は、ボーダーインクから出たばかり、お嬢さんの宮里綾羽さんが書かれた『本日の栄町市場と、旅する小書店』を、夜は千里さんの『アコークロー』(ボーダーインク)、こちらは版元品切れのためネットで探して、那覇のちはや書房さんから送っていただいて読んでいます。

 そして『本日の栄町市場と、旅する小書店』は、名残惜しくも本日読了しました。
 読みながら同じく古書店を営む自分の日々を振り返るわけですが、この20年、買い物の仕方をはじめとする生活スタイルから、店の業務内容、いろいろが様変わりしました。ちょっと便利が行き過ぎたなーと思います。遠くの人とは(錯覚も含め)近くなったけど、近くの人とは遠くなる、というか、意識してないと目の前にお客さんがいるのに、ネットの注文の返信や、何かを発信するのに夢中になっていたり、ねじれた日常が当たり前になりました。
 なので、この本に登場するお客さん、お客さんと綾羽さんのやりとり、超至近距離のお向かいさんとの日常、市場のほかのお店の店主たち、それぞれ生きざま、人生がとても温かな視線で描かれ、愛おしくて愛おしくて、あぁ、気をつけないとこういう大切なひとつひとつを失ってしまうなぁと。一年の初めに、とても大事なヒントが詰まっている本に出会えたなぁと思いました。
 そして本の構成も素晴らしく、後半の、父・宮里千里さんの『アコークロー』への反撃(笑)からはじまる、アコークローではまだ小学生だった綾羽さんが、ひとまわりして、親への感謝や、きっと心の中の一番大事なものを語ってゆく流れは、いま書きながら思い出して泣いてしまう。
 一編、一編は短くてとても読みやすい分量でいて、なんかもっとたくさんの文章を読んだような読後感は、綾羽さんの文章の素晴らしさだと思います。

 CD『琉球弧の祭祀 久高島 イザイホー』(2,000円+税)、宮里綾羽著『本日の栄町市場と、旅する小書店』(1,600円+税)、そしてボーダーインクの新城和博さんが書かれた『ぼくの〈那覇まち〉放浪記』(1,600円+税)お取り扱いしています!