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エマーソン北村を聴きながら、本を探したり立ち読みしたり 2017年2月5日 (日)

2017/02/05▶︎3:00 PM - 6:00 PM

投げ銭

 

日にち 2月5日(日)

時間  15~16時/17~18時

出演  エマーソン北村(キーボード・ソロ)

会場  古書ほうろう

料金  入場無料(投げ銭制)

エマーソン北村さんの新譜『ロックンロールのはじまりは』の発売を記念して、店内でライブを行います。本屋でのライブも最早特別なことではなくなりましたが、今回は、単に本屋で、というライブとはちょっと違います。

まずひとつ、このアルバム自体が「本」をイメージさせるものであること。思わず「装丁」と言ってしまいたくなる手触りのある紙のジャケット(デザイン:惣田紗希)。そして音楽とともに収録された書き下ろしの長い文章。「ロックンロールのはじまりは、白木の棚に並べられた本たち。」という一文ではじまるこのテキストは、かたちこそ「本」ではありませんが、「本」の持つ力と、人の心と志についての、いままさに読まれるべきもの。ひとつひとつの音を丁寧に組み立て作られた六つの曲は、それぞれに独立したものですが、繰り返し読みかつ聴くことで文章と音楽が結びつき、そこからエマーソンさんの声が聞こえてくるような、そんな作品です。

そして、そんなふうにこのアルバムが自分に染みこんでいくうち、いつもとは違ったライブの光景が浮かんできました。それは「普段通りの営業をしている古本屋の片隅でエマーソンさんが弾いている」というもの。椅子に座って聴き入る人もいれば、書棚の前で画集を眺めているお客さんもいる。均一棚の背表紙をひたすら追う初老の男性。何も知らずに来店された家族連れが、演奏を耳にしながら絵本を選んでいたり。さまざまな仕掛けが施されたエマーソンさんの音楽は、じっくり向き合ってこそ聞こえるものもたくさんありますが、今回はもっとゆるやかに、店の空気とひとつになったその演奏を、本と一緒に感じてもらえたらと考えています。

エマーソンさんといえば、そのルーツであるスカやロックステディのような、軽やかで踊りだしたくなるようなものをまず思い出します。今回のアルバムだと「帰り道の本」のような。こういう曲をかけると、ほんと店の空気が変わるんですよね。心なしかお客さんの財布の紐も緩んで。でも、それと同時に、もっとミニマムで静謐な曲もあります。アーヴィング・バーリンのカバー「リメンバー」などはまさにそうで、こういった演奏が店内に満ち溢れたとき、なにか本と人とのミラクルな出会いが起こるような、そんな気もしています。

二十歳の頃、いつも一緒にいた友人がトマトスのファンで、その流れでエマーソンさんのことを知ってから、はや四半世紀。ボブ・マーリーぐらいしか知らなかったぼくを、魅惑のジャマイカ音楽に導いてくださった恩人ともいえる方に、自分の店で演奏していただけるなんて本当にうれしいです。みなさんにもぜひ、古今東西の音楽のエッセンスが詰まったエマーソンさんの世界を体験していただきたいです。
(演奏中の出入りも自由ですので、ちょっとでも興味の湧いた方は、お気軽に。そして、もしぐっときたら、投げ銭のほうもどうぞよろしく。)

なお、当日は、エマーソンさんに選んでいただいた本(「折りにふれ思い出したり、手に取ってしまったりする本」)のミニコーナーもつくり、販売します。そちらもぜひお楽しみに!

(宮地健太郎)
 

 

エマーソン北村が選んだ本 (2月7日追記)
* 本についてのコメントはエマーソンさんご本人によるもの。少しずつ追記していく予定です(3月2日)

タイトル 著者 出版社 税抜き価格 状態、他
東京 1934〜1993

桑原甲子雄 新潮社
フォト・ミュゼ
3,000 1995年 初版 帯
デザイン
:日下潤一+吉田裕美
 エマソロの隠れたテーマでもある「過去のどの一瞬も、現在とつながっている」ことを考える上で、欠くことのできない写真集。すっかり失われた街なのに、僕はこの通り・店・人を知っている!と思えるほど近くに感じられるのはなぜなのか。撮る人の自意識と写真に対する「志」のたまものなのだと思うけど、僕はそれを一種の「透明」さと呼んでいて、「ロックンロールのはじまりは」のエッセイにもその言葉が出てくる。
 便宜上戦前の写真と呼んでいるがこの写真集には1950~60年代から90年代までの写真も収められている。写真の並べられ方が良くてタイムスリップ感がはんぱなく、「東京って戦前戦後でこんなに変わってないのか」と一瞬驚く。変わってないのは街でなく、桑原さんの街の中での身の置き方なのだけど、こんな風に街を見続けられる人ってすばらしいなあと本当に思う。
 
 
タイトル 著者 出版社 税抜き価格 状態、他
一銭五厘たちの横丁

児玉隆也
桑原甲子雄
岩波現代文庫 売り切れ 2000年 初版
東京百話 人の巻

種村季弘 編 ちくま文庫 売り切れ 1987年 初版 帯
装画:安野光雅
東京ミキサー計画
ハイ・レッド・センター直接行動の記録

赤瀬川原平 ちくま文庫 800 1994年 初版
カバーデザイン
:東幸央
東京セブンローズ 井上ひさし 文藝春秋 500 平成11年 第2刷 帯
装丁:安野光雅
マイナス・ゼロ

広瀬正 河出書房新社 2,500 昭和45年 初版 帯
装幀:上島一純
住み方の記

西山夘三 文藝春秋 売り切れ 昭和45年 第3刷 函 帯
岡田実宛献呈署名
函絵:著者
(代官山アパート)
日本の百年 2
廃墟の中から


鶴見俊輔 編著 筑摩書房 1,000 昭和36年 初版
帯 月報
函イタミ少
装幀:原弘
記録現代史
日本の百年 全10巻

編集・執筆
:鶴見俊輔
 松本三之介
 橋川文三
 今井清一
 神島二郎
筑摩書房 5,000 1977〜1978年 初版
函 月報揃
九月、東京の路上で

加藤直樹 ころから 売り切れ 2014年 初版 帯
コレアン・ドライバーは、パリで眠らない

洪世和 みすず書房 1,200 1997年 初版 帯
広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由

スティーヴン
・ウェッブ
松浦俊輔 訳
青土社 1,200 2004年 初版 帯
装幀:高麗隆彦
   藤井靖子
犬が星見た
ロシア旅行

武田百合子 中公文庫 300 1990年 5版
夫婦善哉

織田作之助 新潮文庫 200 平成元年 40刷
たけくらべ 樋口一葉 集英社文庫 200 1997年 第4刷
夢十夜・草枕

夏目漱石 集英社文庫 200 1992年 初版
装画:吉野朔実
田村隆一詩集

思潮社
現代詩文庫
売り切れ 1980年 第17刷
ぼくの憂き世風呂

田村隆一 集英社 売り切れ 1980年 初版 帯
ビニールカバー
装幀:中島かほる
砂上の会話
田村隆一 対談
実業之日本社 800 1978年 初版
新刊
踊る昭和歌謡

輪島裕介 NHK出版新書 820 2015年 初版 帯

  

詳細

日付:
2017/02/05
時間:
3:00 PM - 6:00 PM
費用:
投げ銭
イベントカテゴリー:

主催者

古書ほうろう
Phone
03-3824-3388
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会場

古書ほうろう(千駄木は閉店し2019年5月末に池之端へ移転しました。)
千駄木3-25−5 古書ほうろう
文京区, 東京都 113-0022
+ Google マップ
Phone
03-3824-3388
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