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長田衛の仕事 マルコムXと急進的黒人解放運動 4/10 (水) 〜 5/5 (日)

04/10 - 05/05

ちょうど一年前、石谷春日さんのお宅に出張買取に伺いました。お引越しに伴う蔵書整理だったのですが、その中には石谷さんのお連れ合いである長田衛さんが遺された様々な資料も含まれていました。今から60年前の1964年秋、ニューヨークにお住まいだったお二人は、街頭で手売りされていた『ミリタント』という新聞をきっかけにマルコムXとその思想に出会い、12月以降、毎日曜日、ハーレムでのマルコムXの演説集会に通い始めます。そして翌1965年2月21日、マルコムXが暗殺された現場にも居合わせることとなったのです。長田さんは日本における第一報を『日本読書新聞』に寄稿し、その秋帰国して以降、マルコムXと急進的黒人解放運動の紹介に注力していきます。

普段、お客さまから買い取った本は、店頭に出す本、通販で売る本、市場で同業者に売る本、廃棄する本など様々に仕分けされ、散らばっていきます。今回お引き取りした長田さんの本や資料も、最終的にはそうなる可能性が高いのですが、でもその前に、少しでも多くの方に、ひとまとまりのものとしてご覧いただきたい、そしてできれば有効に活用してくださる方にまとめて手渡したい。そんな気持ちから、今回はまず店内で展示をすることにしました。
 
  
 
展示の中心となるのは長田さんご自身が書かれたもの。帰国直後に仲間たちと自費出版したマルコムXの演説集『黒人は抵抗する』や、最初の単著『黒人は叛逆する』を始めとするすべての著書、そして新聞や雑誌への寄稿です。それらを年代順にご覧いただくことで、マルコムXとその思想がどんなもので、それが日本にどのように伝えられ受け止められてきたかがわかるのではと考えています。当初まだまだだった日本での関心は、ベトナム反戦や学園闘争と呼応するかたちで高まっていくのですが、なかでも『中学三年コース』や『ボーイズライフ』といった中高生向けの雑誌で、黒人暴動に大きく頁が割かれていたのには驚きました。

また、それらの執筆の元となった『The Militant』『Young Socialist』といったアメリカの紙誌も(膨大な量なので一部ではありますが)展示します。加えて、お二人が街中や集会でに入手したチラシやバッジを並べ、壁にはポスターやアジビラを貼り、さらにマルコムを敬愛していたミュージシャンたち(たとえばアーチー・シェップ)のレコードをかけることで、当時の空気を少しでも再現できればと考えています。
 
  
 
長田さんと石谷さんは、1968年4月、取材で再度渡米されたのですが、その際撮影したスライドも数多く残されていて、これらについては4月13日に上映会を行います。時あたかもマルコムの遺志を引き継いだブラックパンサー党が、官憲の弾圧にさらされている只中。オークランドの党本部、メリット公園でのボビー・ハットン少年虐殺抗議集会。「Free Huey」の文字翻るサンフランシスコ市庁舎前での国際学生反戦集会、壇上に立つモハメド・アリやマーロン・ブランド。書店の並ぶバークレーの町、公民権運動と連帯する学生たち。そういったスライドを見ながら、石谷さんに当時のエピソードや長田さんのことをお話いただきます。こちらもぜひお運びください。
 
 
この展示は、石谷春日さん、根津映画倶楽部 @nezueigaclub さん、憲法を考える映画の会メンバー 船野公子さん、門村充明さんに、さまざまな面でサポートいただき実現しました。ありがとうございました。
 

会期 2024年4月10日(水) 〜5月5日(日) 
   月火定休

会場 古書ほうろう アクセス→
入場無料
*4月13日(土) は、下記のスライド上映会のみの営業(要予約)

 
スライド上映会
「1968年 ブラックパンサー党を中心に」

 
 日にち 2024年4月13日 (土)
 時間  17時半開演(17時開場)
 会場  古書ほうろう
 お話  石谷春日
 入場無料(定員制/要予約)

*参加ご希望の方は、お電話か、以下のフォームからお申し込みください
定員に達したため、ご予約の受付を締め切りました

 
長田衛(ながた えい)
 1933年熊本県生まれ
 1958年早稲田大学卒業
 1997年逝去

 
  

詳細

開始:
04/10
終了:
05/05
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