古い洋画のパンフレット ジャック・ドゥミの「淫乱の罪」のことなど
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谷根千〈記憶の蔵〉で、4月19日(土)に開催する「パンフレット紙モノ大放出市」。連日その準備に大わらわですが、定休日の昨日は、そのなかから1950〜60年代の洋画パンフレット約200冊に値付けをしました。たとえばこんなラインナップ。日比谷映画街華やかなりし頃の雰囲気が伝わってきます。
個人的にうれしかったのは、1963年に有楽座で公開されたフランスのオムニバス映画『新・七つの大罪』。ジャック・ドゥミが日本で初めて紹介されたのは、このなかの「淫乱の罪」だったのだなあと、植草甚一の解説「あたらしいオムニバス映画のつくられかた」を読んで再認識しました。
以下、引用します。
このオムニバス映画を見にいったとき、なによりも楽しみになっていたのは、ヌーベル・バーグとして騒がれた、フランスの若くて頭のいい監督たちが、どんな演出をみせてくれているかという興味でしたが、タイトルがうつったとき、こいつは凄いなあ、とおもったのは、フランス文壇や演劇界の第一線にたって現在活躍している人たちが、シナリオを書いていることでした。
(中略)
第四話の「淫乱の罪」は、これまた初紹介される新人監督ジャック・ドミーの演出になるもので、まだ三十一才の若手ですが、最近つくった恋愛映画「ローラ」で、たいへんな話題になりました。これも輸入されるだろうと思いますが、この「淫乱の罪」では、フランス文壇の大物であるロジェ・ペールフィットが、はじめてシナリオに手をそめていることに注意がむかいます。
植草さんが「輸入されるだろう」と書いている『ローラ』が、ようやく日本で公開されたのは1992年のこと。そのあたりの経緯については、昨年のフランス映画祭でのトークショーで秦早穂子さんが語ってらっしゃるので、未読の方はぜひ。
http://cineref.com/festival/2013/07/-lola-2013.html