園子温監督の自作コピーチラシ
昨晩のこと。「パンフレット紙モノ大放出市」の値付けをしていたらこんなものが出てきました。1990年、中野武蔵野ホールでの『自転車吐息』公開にあたり、園子温監督が作ったコピーチラシ。「なんだこれは!」と訝しみながらもつい読んでしまう、そんな異様な迫力があります。(以下、画像クリックで拡大)
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「最近の日本映画の監督たちの自分の作品に対するオトシマエのつけ方がなっとらんので挑戦的な意味で、これを刷ります。」
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「名古屋で昨年、4日間だけ劇場で公開しましたところ、それだけで、89年のベスト5に進出しました。」
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では園監督はいつこのチラシをを撒いていたかというと、たぶん1990年の2〜3月のこと。なぜなら、その頃中野武蔵野ホールでロードショー公開されていた韓国映画『馬鹿宣言』『暗闇の子供たち』のパンフレットに挟まれていたからで、おそらくは劇場の前で日ごと出待ちをして配ったのでしょうね。園監督が『自転車吐息』の告知のために遂行したチラシ作戦(とその成果)のことは、以前買い取った『非道に生きる』でちらっと読んだ憶えがありますが、こうしてその痕跡を実際に目にすると、やはり頭が下がります。ご興味のある方は、ぜひご来場のうえ手に取ってみてください。
それにしても、中野武蔵野ホール、懐かしいです。あの路地周辺のちょっといかがわしい感じと、すぐそばにあったジャズ喫茶「ビアズレー」のパラゴンが、目の前に浮かんできました。