飯沢匡、土方重巳コンビによる海外向けの絵本です。
じつはしばらくの間、ウインドウに飾っていて、値段を決めなくては、紹介しなくてはしなくては…と思ううちに月日が流れてしまいました。けじめは大事、ということでウインドウを新たにした機会に、この凝った絵本たちをご紹介します。
土方重巳といえば、人形劇団プークやNHKのブーフーウーの人形が思い浮かびますが、佐藤製薬のサトちゃんの生みの親でもあるのですね。知りませんでした。
造形社から出ている『土方重巳 造形の世界』によると、美術学校卒業後は、東宝に入社、ポスターや新聞広告などを数多く手がけ、戦後は映画だけにとどまらず、バレエ、オペラ、劇団民芸のマーク製作のほか紙もの、飯沢匡に誘われ児童書の挿絵や絵本と、様々なジャンルで活躍しています。図版を眺めていると、丁寧な作風は一貫していて、どの仕事からも製作のよろこびが伝わってくるような気がします。
1968年1月の『旅』では、岸田衿子「炭やきニルスとトロル」に寄せた挿絵の仕事を発見しました。