11月3日の〈しのばずくんの本の縁日〉で、初売りとなった南陀楼綾繁さんのインタビュー集『編む人 小さな本から生まれたもの』(ビレッジプレス/1,600円+税)が、署名入りで古書ほうろうにも入荷しています。カバーイラストは森英二郎さんです。
一番初めに収録されているのは、2009年1月にほうろうで行われた小西昌幸さんとのトーク「ハードスタッフ・ナイト~先端的硬派雑誌の復活」の起こしです。懐かしい!徳島「創世ホール」の運営、ライブや公演の企画の話、杉浦康平を手紙攻めの挙句呼んでしまった話など今読んでも面白い。
ほかには、『コミック・マヴォ』の竹熊健太郎さん、『入谷コピー文庫』の堀内恭さん、『プレイガイドジャーナル』の村元武さん、大竹昭子さんには街と「なくなったもの」について、新宿プレイマップの本間健彦さん、『Lifeーmag.』の小林弘樹さん。語りおろしは、牧野伊三夫さんと、谷根千工房・山﨑範子さん。
山﨑さんのインタビューが載ると知って、縁日が終わったら読むのを楽しみにしてました。
私たちがこの町で店を始める前から、というより、谷根千工房はみなさん20代から活動を始めてるので、学生時代に宮地は工房に取材に伺ったことがあるそうです。まさかその10年後にこの地で店を始めるとは想像もしてなかったと思いますが、そんな者たちにもこの町は大らかで、いまでも店を続けていられるのは、谷根千工房の存在が少なからずあると思います。
人の緩やかな繋がりが縦横無尽に張りめぐらされていて、しかも程よい関係を保ちつつ、手が必要なところにはさっと人が現れるのがすごい。そのことを私たちは谷根千工房の方々を通して知ることも多く、とても助けられ、いまでも多くを学んでいます。
谷根千工房の中でも、フットワークの軽さで群を抜いてる印象の山﨑さん。ささっと現れて、お礼を言おうとするともう次の場所に向かってる、風のようなひとなのです。同じくこの町で暮らし、町を活動の場としてる南陀楼さんが、『谷根千』時代のこと、森まゆみさん、仰木ひろみさんのこと、そして今のことを聞いてます。
〝お金を持っているかじゃなくて、楽しく暮らしているかどうか。「まわっている」ことが大事なの。〟
名言いただきましたよ! 山﨑さんずっとブレてないなぁ。
11月25日まで〈HAGISO〉にて「はじまりの谷根千 ─地域雑誌「谷中・根津・千駄木」とローカルメディア─」と題した展示が開かれています。