イベント」カテゴリーアーカイブ

吉上恭太さんの『ぼくは「ぼく」でしか生きられない』が刊行されました。

古書ほうろうで千駄木の頃から「吉上恭太のサウダージな夜」と題してずっとギターの弾き語りライブをしてくださっている吉上恭太さんが自らの来し方を綴られた『ぼくは「ぼく」でしか生きられない』が、かもがわ出版さんより刊行されました。

絵本の翻訳もなさっている恭太さん、そのことも本に書かれていますので、恭太さんにお願いしてそれらの絵本をお借りして店頭に並べてご覧いただけるようにしました。(お借りした絵本は販売はしていませんので、ご近所の方は往来堂さんへご注文ください)

12月5日には刊行記念に、吉上恭太さんと装画を描かれた漫画家の山川直人さんのトークショーも開催しました。

恭太さんは目指さない人生、山川さんは「漫画を描く」という大好きなことを続けるための方法として漫画家になることを選んだ人生。まったく違うタイプの生きかたをしてきたおふたりが、ほうろうでトークショーをしてくださったのでした。おふたりはとても仲良しでもあり、人の縁っておもしろいなぁ、巡り巡って出会うべくして出会ったおふたりなのだろうなと思いました。
山川直人さんバージョンの『ぼくは「ぼく」でしか生きられない』も読んでみたくなりました。

店頭では、12月8日(金)から29日(金)まで、山川直人さんの装画原画展もはじまりました。カバーのイラストのほか、挿画もすべて展示しています。細かな描き込みの原画からは、恭太さんの本に書かれている時代の空気も感じられます。ぜひぜひご覧にいらしてください。恭太さんの翻訳した絵本も原画に描き込まれています。目を凝らして探してみてください。
https://horo.bz/event/yamakawa-kyota_20231205/

 

陳列させていただいた吉上恭太さんの翻訳絵本のタイトルはこちらです。

『ゆきのひ』『あめのひ』『かぜのひ』
サム・アッシャー作・絵
徳間書店

イギリスの人気絵本作家によるシリーズ。
ちょっと憂鬱な空模様の日。おじいちゃんとぼくがおでかけすると、思いもかけないファンタジックな世界が広がります。

■■

『せかいいち しあわせな ぬいぐるみ』
サム・マクラブラットニィ文 サム・アッシャー絵
徳間書店

いまから50年ほどまえのこと、ある女の子がおこづかいをためて買ったクマのぬいぐるみ「ウーウー」。月日が経ち、持ち主が何人も変わり、ある日奇跡がおこります。

■■

『おねえさんになるひ』
ローレンス・アンホルト文 キャサリン・アンホルト絵
徳間書店

ずっとずっと赤ちゃんがくるのをたのしみにしていたソフィー。でも赤ちゃんが生まれてきたら、お父さんもお母さんも赤ちゃんにつきっきり。寂しいソフィーは家をとびだしてしまいます。

■■

『ようこそ!ここはみんなのがっこうだよ』
アレクザーンドラ・ペンフォールド作 スーザン・カウフマン絵
すずき出版

さまざまなバックグラウンドを持つ子どもたちが、お互いを認めあって学校生活を送ってる、スーザンの娘さんが通う小学校がきっかけとなって生まれた絵本です。イラストがかわいい!

■■

『ちゃんと たべなさい』『だめだめ、デイジー』
ケス・グレイ文 ニッケ・シャラット絵
小峰書店

おかあさんとデイジーちゃんのやりとりがほほえましい2冊です。
『ちゃんと たべなさい』は、2015年に箕面・世界子どもの本アカデミー賞絵本賞を受賞。「子どもたちから支持されている本を、子どもたち自身で選ぶ」という趣旨の賞に選ばれたことに、恭太さんのよろこびが『ぼくは「ぼく」でしか生きられない』にも書かれています。

■■

『ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ』
『かしこいさかなはかんがえた』『くまくんと6ぴきのしろいねずみ』
クリス・ウォーメル作・絵
徳間書店

ダイナミックでありながらとても優しい筆致の絵が印象的です。
なかでも個人的には『ひとりぼっちのかいぶつといしのうさぎ』がすごく好き。
なんとも言えない複雑な余韻が残る絵本で、子どものころに読んだら心の置きどころがわからなくてちょっとトラウマのようになっていたかもとも思ってしまう。
恭太さんがご自身の本のなかで、原書を読まれたときの印象を哲学的な内容と表現されているくらいだから、わたしも大人だからといって簡単に理解できるわけではないけれど、恭太さんのおかげで出会えたすばらしい絵本。

詩の朗読会「3K15」を開催しました。

コロナでいろいろなことが久しぶりになっているなか、昨日は久しぶりの詩の朗読会「3K15」を開催。

3Kは、カワグチタケシさん、究極Q太郎さん、小森岳史さんの3人のイニシャルKからで、第1回目はほうろうと出会う前の2000年、当時はまだ珍しかった古本とカフェの業態の先駆けだった西荻窪の「ハートランド」で開かれ、その翌年、3回目の「3K3」で、はじめて千駄木の古書ほうろうに来てくださいました。
それ以来、会場をかえながら回数を重ね、ほうろうでは毎回芸工展の開かれる10月に、2003年「3K6」、2005年「3K10」、少し空いて2018年「3K12」、4回の3Kが開かれました。
https://note.com/3k15

そして海の日で月曜祝日の昨日、池之端に移転してからは初めて、ほうろうでは通算5回目となる「3K15」が開かれ、18人のお客さまが集ってくださいました。酷暑のなかお越しくださりほんとうにありがとうございました。

前半は、カワグチタケシさんの「糸杉と星の見える道 ~Billie Holiday」でスタートしました。
「過去の歌姫たちの亡霊」7篇、歌姫の生まれた順に。
カワグチタケシさんのブログ→

1.糸杉と星の見える道 ~Billie Holidayに
2.春 ~Judy Garlandに
3.キューピッドとプシュケ ~Aretha Franklinに
4.草上の昼食 ~Janis Joplinに
5.眠るジプシー女 ~Linda Ronstadtに
6.アテナイの学堂 ~Whitney Houstonに
7.夜警 ~Billie Eilishに

2番手は究極Q太郎さん。Bluetoothスピーカーで音楽を流しながら「春と修羅」ではじまりました。
1. 春と修羅(宮沢賢治)
2. Galapagos(ガラパゴス)
3. At least They Insist So
(少なくとも彼らはそう主張している)
4. A Cockroach
5. astrangersinthenight
6. 拍

前半最後は小森岳史さん。外の蝉の声を聴きながら、夏の詩「グリーン」ではじまりました。
1.グリーン
2.We lived in clover pt.2
3.ステイン
4.チェンジズゴナカム
5.アムステルダム

休憩をはさんで、後半は逆の順番で小森さん。「そば」にでてくる谷中墓地前の蕎麦屋は、川むらだそうです。
1.そば(佐藤わこ)
2.(女性も含めて) デッドマンズ・アイランド (グレアム・ハーウッド 植田悠訳)
3.真空パック

2番手、Qさん。ストーンとストーンしボーンと骨になれ。
1. ストーンとstoneしbone と骨になれ
2. にしこく挽歌
3. There is no hell except on earth(チャールズ・ブコウスキー)
4. Cambridge Sky(グレゴリー・コーソ)

最後はカワグチさん。今年生誕100年の田村隆一の詩から。
1.四千の日と夜(田村隆一)
2.捨てられている(小森岳史)
3.待たれた朝(究極Q太郎)

耳に馴染む懐かしい詩にさまざまな風景が蘇ったり、三者がそれぞれに醸し出すビートと一体化したり。
外は37℃に灼かれる昼下がり、東大のジャングルで鳴く蝉の声をBGMに朗読が続きました。

少しずつイベントを再開とはいえ感染数は増加傾向のため、店内ではお客様にマスク着用のご協力と、飲食のご提供はなしとを、お願いしての開催となりました。
窮屈なお願いに関わらず、ご来場のみなさま、カワグチさん、Qさん、小森さん、ご協力ありがとうございました。

おまけ
カワグチさんと、「同行二人」というユニットの相方の村田活彦さんが、3K10のツアーTシャツ姿で並んでいらしたのでパチリ。

【予告】「〈はじめての総選挙〉お祝い割り引き」を実施します。

市民に目を向けない政治家とおさらばする方法をいろいろ考えて、若い方々の投票率がほんとうに低いのなら、一人でも多くの方に投票に行ってもらいたくて、「はじめての総選挙割り」を考えました。
この秋はじめての衆議院選挙を迎え、投票する方々にお祝い割引きを実施します。
うちの2割引では、よろこんでくださる方そんなにいないかもしれませんが、せめて何か気づきのきっかけになればうれしいです。

未来にたくさんの可能性のある若い人たちにこそ、選挙に行って「政治に注目してます」と政治家の方々に存在感をアピールしてほしいです。
大人ってバカじゃない?と思ったら、ぜひ大切な1票で、意思表示をしてください。

選挙の直前になって慌てないよう、いまからいろいろ調べて投票に行きましょう!
ほうろうの営業がままならなくなるくらいたくさんの投票デビューをお待ちしてます。

 

【対象】
2021年衆議院選挙が * 生まれてはじめての「総選挙」で、投票に行かれた方
* 2017年10月24日から、2021年の投票日の翌日までに18歳になり、選挙権を得られた方

 

【期間】
期日前投票開始日〜選挙日から1ヶ月後まで(詳しい日程は選挙日が公示され次第更新します。)

 

【割引内容】
お会計の際に「年齢の分かる身分証」と「投票済証」をお見せください。
古本、中古レコード・CD、喫茶のお会計から、2割引きいたします(お一人1回限り)。
(新刊など一部除外品あり)

 

選挙の日に予定が入ってしまって投票に行けない、住民票の移動が間に合わない、などの事情がある場合は、
期日前投票制度、不在者投票制度(郵便投票、洋上投票など)、在外選挙制度などが利用できます。
総務省|投票制度⇒


Twitter経由で興味深い記事に出会いました。いまの日本の制度が完成形というわけじゃないですよね。自分たちに近い意見の政治家を増やすことで、変えていける可能性を大切に育てていけるといいな。

日本とフィンランド、地方選挙を比べて見えてきた「決定的な違い」

ここ最近のほうろう〜心地よい音楽♪

2月22日のCHIZライブから2週間。ほくほくした気持ちが続いてます。一昨日は、エマーソン北村さんのセッションにCHIZの鬼頭哲さんが加わってのライブにも、店を早仕舞いして出掛けたりして。

CHIZのライブは久々に出演者の多いライブとあって、前日から少しずつ会場をつくりはじめましたが、一昨年初めて声をかけていただいたときにタイミングが合わずお断りしてしまった経緯などもあり、いよいよこの日が来たぞ〜と歓びをかみしめつつ黙々と作業する時間はそれはそれで格別なものがありました。終えて翌日も余韻というよりまだライブの中にいるみたい。店を元に戻すもの惜しいような感じで、棚を戻す前に十数年ぶりにワックスを引っ張り出してきて床を磨いてみたり。そんな気持ちにさせてくれるライブでした。

ようやく叶ったCHIZのライブは、なんとエマーソン北村さんがゲスト参加してくださってスペシャルヴァージョンとなったのですが、宮地からそう決まったと聞いたときには、それぞれの音楽が自分の中ではまったく違う世界という認識だったので、どんなことになるのかまったく想像できずにいました。

果たして当日、CHIZの音調整のタイミングで現れたエマーソンさんのリュックから現れたのは小さなキーボード1台。
適当な机がなく、背の高いスツールと背の低いスツールをお渡しすると、背の高い方にキーボードを置き、低い方に腰掛けて、CHIZと一緒にバランスの調整をして、さぁ、いよいよリハーサルかと思いきや、エマーソンさんと鬼頭さんが言葉でちょこちょこっと(と、私には見えました。)やりとりし、あとは曲順を決めただけで本番を迎えたのでした!

CHIZのHPにもありますが、CHIZのコンセプトは「照喜名俊典プロデュースによる鬼頭 哲楽曲集」ということで、鬼頭哲さん(バリトンサックス)のつくった曲を、ユーフォニアムの照喜名 俊典さんをリーダーに、チューバ・西本 翔一さん、ギター・斉藤 拓人さん、ドラム・近藤 久峰さん、クラリネットとヴォーカル・小田 美沙紀さんが演奏するのですが、ふつうバンドだとそれぞれパート譜を見ながらの演奏となるそうなのですが、CHIZは、メロディ譜を地図に見立て、全員が同じ地図を見る。どこに行っても最後はここに帰って来ればいいというのがたったひとつの決まりごと。そんな彼らの奏でる音はひとつひとつが優しく、いろいろを考えて考えて考えて受け入れて消化して、結晶のようにひとつひとつの音が生まれてくる感じがしました。押しつけがましくなく、傍にいるだけでだんだんと気持ちが上に向いて、よし、もうちょっと歩いてみようかと思えてくるような。
そこにエマーソンさんのキーボードが、もうそこしかない!という感じで入ってくるのです。口頭でやりとりしただけで、小さな鍵盤からどうしてこんな世界が広がってしまうのか。もうすげ〜としか言いようがありません。
ジプトーンの天井が底ぬけに広く高い空になりました。最っ高!!


一昨日のエマセッションは、ぶっ放すっていう感じで、エマーソンさんの七変化にかぶりつきで、はうっとなったまま全身で音を浴びてきました。
そんな流れで、明後日、3月10日(土)は、好評で3回目となる「エマーソン北村を聴きながら 本を探したり、立ち読みしたり」を迎えます。CHIZとのライブで弾いてくれた小さな鍵盤がまた活躍しそうです♪ そしてほうろうのシュベスターピアノもきっと。

それから今回はちょっと腰掛けられるようにスツールをこれまでより多めに店内に配置しておくつもりです。店は通常営業中、ご予約不要、入場無料、出入り自由、エマーソンさんへの敬意のカンパ大歓迎です。
エマーソンさんが生演奏してる古本屋なんて、自分の店ということを忘れて立ち読みしたい。もうほんとうにご機嫌なので、ひとりでも多くの方に聴いて欲しいです!
ぜひぜひふらりと最高に贅沢な立ち読みをしに来てください! 夜の演奏のあとにエマーソンさんのミニトークも予定しています。

時間など詳細はこちらから→ https://horo.bz/event/emersonkitamura20180310/

ウインドウの平野甲賀さんのリトグラフも入れ替えました。なかなか間近で観る機会はないと思いますので、紙に踊る甲賀グロテスクを息を殺してご覧ください。
(宮地美華子)