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桃山さん納骨と鈴木清写真展

昨年闘病の末、10月18日に旅立たれた水族館劇場の桃山さんのご遺骨が、年明けて15日は一昨年から公演の場となっている羽村の宗禅寺さんへ、16日にはかつての公演の場である駒込大観音光源寺さんへ分骨された。
光源寺さんでのお別れ会(というかお帰りなさい会という心持ち)に参列した。十年ひと昔なら、光源寺での最後の公演は2010年とのことなので、もうひと昔以上だ。当時の役者さんたちは、分裂して劇団を去って行かれた方が多いので、光源寺での舞台に立たれたことのある役者さんはずいぶん少なくなったのだなぁ。久しぶりに高山先生にお目にかかる。飛行機に乗って吊り上げられ芝居をする高山先生の姿はいまでも鮮烈だ。あとでご挨拶をと思ったが先生に近づくことができず叶わず。流浪堂の二見さんとも久しぶりにゆっくり話ができた。

河原者を標榜してきた桃山さんが、河原の石になるのではなく、お芝居をした土地に戻ってきてくれたのはとてもうれしい。

お別れ会の翌日は、六本木・フジフィルム スクエアの鈴木清写真展「天幕の街 MIND GAMES」へ。
桃山さんが敬愛していた写真家で、水族館劇場2014年公演「Ninfa 嘆きの天使」のポスターに写真が使われたぶらんこ乗りのプリントも展示されていた。
いろいろありささくれた心のまま出かけたが、サーカスのクラウンの写真を見た途端に、不思議なくらいにすぅっと凪いだ。
写真を見ていくうちに、桃山さんがここにいるなぁと感じ胸がいっぱいに。
炭鉱の町に生まれたという鈴木清は幼い頃に父親に連れられ一度だけ観た天幕サーカスの情景がずっと心の底にあると書かれていて、自分も同じで、その記憶が水族館劇場への憧憬に繋がっている。
写真集『流れの歌』『天幕の街』もご家族のご厚意で手にとって見せていただくことができた。