日々録」カテゴリーアーカイブ

請願を書いたこと。シビックセンターに行った日の日記。

区役所に請願書を提出するなどと、思ってもみなかった体験をしたのでその日のことを。

「パレスチナ全域での即時停戦と早期に平和の実現を求める請願」

提出したのは、2月5日月曜の定休日。
京都市長選挙でまさかまさかの立憲民主党が自民党と組んで推薦した候補者が当選するという悪夢の翌日だった。

昨年末、同じ題で陳情書を提出したのだが、きっかけは、昨年の夏にたまたま議員になる前から知り合いだった浅田やすおさんと会話する機会があったこと。そのときは立憲民主党にはいつも肝心なところで泉さんに失望させらると苦言を呈したのだったが、思っていたことを伝えられたことが大きかった。信じられないような殺戮がはじまり、当然地方自治体からも何らかの発信があるものと思っていたが、ぽつりぽつりといった印象で、それなら請願書を出さないといけないのかなと思いはじめた。そのときに浅田さんに相談してみようと思ったのだ。夏の会話が敷居を低くしてくれたと思う。まぁ、今回は、辻元さんが自民推しの候補者を応援したことへのショックを伝える羽目になってしまったのだが。

陳情書のときから事態の悪化が著しく、陳情書からだいぶ文面を変えてしまったので改めて読んでいただく。簡潔にとのアドバイスをいただいたり、過去に日本政府はイスラエル政府に対し入植活動の完全凍結を強く求めていると教えていただいたので付け加えた。そのやりとりの間も事態は更に深刻に。なんとかUNRWA拠出金のことを書き加えた。政党のスタンスに関わらず読んでいただけそうな文面になったのではないか。

当日。わたしは雪予報にめげてコミュニティバス「文京Bーぐる」で途中忘れ物に気づき10分遅刻してシビックセンターに到着。高層階行きシースルーエレベーターで集合場所の22階へ。議員さんというと、マイクを手に名前を連呼している選挙活動の姿がまず浮かんでしまうが、降りたフロアは対極の静寂に包まれている。窓からの風景は、地面よりも空に近いと感じる。
受付の方に浅田さんのお名前を告げると笑顔で応接室をご案内くださる。受付の向かいの壁には、議員の在不在が一目でわかる党派別氏名一覧が電光掲示されている。

浅田さん、自転車で先に着いていた宮地さんと合流。このフロアには文京区議の会派控室が並ぶ。今回初めて知ったのだが、“区議会も会派のくくり”で活動なさっているのだ。

さっそく浅田さんが所属する「政策チームAGORA」の部屋へ。沢田けいじ区議、海津敦子区議が在席されており、突然の訪問にも関わらず説明に耳を傾けてくださる。昨年末に陳情書を提出済みなので、そちらも目を通してくださっていたようで、海津さんが、ほかにもパレスチナに関する請願が提出されていること、維新・馬場代表が声明文を出していることなどを具体的に教えてくださる。

請願書には区議の紹介が必要なことは文京区議会のサイトで知ってたので、自分たちの請願には浅田区議のお名前をいただくものと思っていたが、各会派をまわり趣旨説明し(請願書を受け取るだけのところもある)、賛同してもらえる場合は、会派からどなたか1名の署名を書いていただくと、その会派分の賛同が得られたことになり、通りやすく?なるのだそうだ。
文京区議会「傍聴、請願・陳情

なので、ひと部屋ひと部屋説明にまわることに。ノックと最初の声掛けだけ浅田さんがしてくださり、AGORAの次に入ったのは「日本共産党文京区議会議員団」の部屋。壁一面に文京区の巨大な地図が貼られている。
金子てるよし区議、小林れい子区議、板倉美千代区議、千田恵美子区議、石沢のりゆき区議が在席なさっていて、みなさん集まってくださる。宮地さんとふたり、請願書を手に、イスラエルによる虐殺を止めたいこと、ヨルダン川西岸地区での攻撃もエスカレートしていること、UNRWA資金拠出を継続してほしいことなどを伝える。みなさん真剣に耳を傾けてくださり、金子区議は、陳情書を読んで店にも来てくださっていたので、ぎこちない説明だったがあまり緊張しないで済んだ。

ヨルダン川西岸地区のことは、たまたま高橋美香さんがこの時期にジェニン難民キャンプの友人宅に滞在しており、現地から投稿が生々しく、夜の攻撃音や、ブルドーザーで水道管を破壊され(直してもすぐまた壊され)ていること、近くの病院内で医師に扮したイスラエル兵が入院していた若者と付き添いの方など3名を射殺したことなど、ほぼリアルタイムで知りショックを受けていることをお伝えした。

次は、公明党。松丸昌史区議に説明をする。わたしたちが古本屋のせいか、学生時代に谷中ぎんざの武藤書店でアルバイトをなさってたエピソードを披露してくださった。

文京永久の会(とわのかい)は、この日はご不在。

一人会派の議員は同じ部屋にそれぞれの机を置いて仕事なさっていて、 「文京区議会都民ファーストの会」依田翼区議、「ぶんきょう子育てネット」たかはまなおき区議が在席。依田さんは説明を聞いてくださったが本部に確認中でまだ返答がないので賛同できるかわからないとのこと、たかはまさんは(スニーカーと名刺がほんとうに緑色だった)は、オンライン会議中とのことで説明は途中まで。

ここでお昼に。
シビックセンターのガラス張りの吹き抜けにも雪がはげしく落ちでいる。無機質で不思議な光景だ。
22階からの眺めも白さが増し、雪を蓄えた重たそうな雲が立ちこめていて憂き世離れした景色だ。自分たちはあの地面の上であくせくしているのだなぁなどと思う。議員さんも路面店のような位置にいて執務をしてくれていたらもっと近い存在に感じられるかもしれないのになどと妄想する。高層の区役所は災害時に停電した場合、対策本部をどこに設置するのだろう。

地上に降り近場のメトロMに駆け込み、地下のカレー屋さんで昼を済ませ、再び空の世界に戻る。

昼の時間はフロアにNHKの音声を流しているようで、ちょうど「自由民主党文京区議会」市村やすとし区議がエレベーターから降りてこられて声をおかけしたときに、バックで自民党の裏金問題が大音量で報じられていてなかなかシュールだった。部屋に通していただき、立ったまま説明させていただく。

「日本維新の会文京区議団」宮崎こうき区議もちょうどエレベーターから出てこられたところに遭遇でき、控室まで伺い、説明させていただいた。維新の会の馬場代表の声明文のこともお伝えしたが、今回紹介議員にはお名前をいただけなかったことが後でわかった。

翌日2月6日が請願提出の締切日だったが、わたしは両親の通院日のため、宮地さんがひとり再訪し前日に会えなかった「市民フォーラム」宮野ゆみこ区議と「文京永久の会」山本 一仁区議に説明してくれた。

結果、紹介議員に名前を書いてくださったのは、浅田やすお区議「AGORA」と小林れい子区議「日本共産党」だった。
議員34名(議長、副議長含む)のうち、11名の賛同をいただいたという理解でいいのかな。。ありがたい。
が、起きていることは虐殺だ。パレスチナの人びとは、たまたまそこに生まれたというだけのことで、塀に囲まれ、行動を制限され、食糧を奪われ、祈りの場も、学びの場も、病院も、インフラも、住居も破壊され、生まれたばかりの乳幼児でさえ殺されているのだ。たとえ自分たちの請願に賛同できなくても、区議会として、人として何か発してほしい。
はじめてのことで説明に精一杯だったが、どう思われているか、お訊きしてみてもよかったかもと数日経ってから思った。

提出した請願は、2月29日の総務区民委員会で審議されるとのことなので、傍聴しに行きます。

当日シビックセンター23階で受付すれば、先着25名までどなたでも傍聴できるそうです。
(請願の審議は午後からだそうです。これまで定員に達したことはないそうなので、朝一番に受付しなくても大丈夫だと思います。)
https://www.city.bunkyo.lg.jp/kugikai/boucho2.html

平日の午後ですが、お時間ある方はぜひご一緒してください!