◾️◾️◾️ 11月20日(水)◾️◾️◾️
この日の移動は、山﨑さんの松阪のお友だちHさんとともにお車で。
山﨑さん宅
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📍機殿神社 神麻続機殿神
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📍御絲織物(吉川さんと合流)
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📍機殿神社 神服織機殿神社
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伊勢河崎
📍牡蠣の朋
📍和具屋商店
📍伊勢河崎商人蔵
📍伊勢河崎商人館(ここでHさん、吉川さんとお別れ)
📍古本屋 ぽらん
📍錦水湯
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宇治山田
↓(近鉄)
松阪
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📍ひさご 若鶏むし焼き
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山﨑さん宅
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松阪2日目は、松阪にお住まいのHさんが車を出してくださり、機殿神社 神麻続機殿神社(かんおみはたどのじんじゃ)経由で今回の松阪行きで第一希望だったみいと織物工場の見学へ。
神麻続機殿神社は、伊勢神宮へ「荒妙」(麻・あらたえ)を奉織するための神社だそう。田園風景のなかにこんもりとした杜が現れてきて、車を降りて歩いて杜へ近づきます。赤く塗装してない白木の鳥居をくぐると、外部と空気感が一変し、掃き清められた参道の両脇に御神木が聳えていました。お社の周りの砂利は、砂利と呼ぶには大きく拳大ほど。神事の際にはひとつひとつ洗い清めるのだそうです。
ふたたび車に乗り、御絲織物さんの工場へ。見学記はこちらに。→*
御絲織物さんのあとは、工場から一緒になった吉川さんの車と2台で、機殿神社 神服織機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)へ。こちらは「和妙」(絹・にぎたえ)を奉織する神社だそうです。神麻続機殿神社とあわせて、のちに栄える松阪織物のルーツとなる存在。午前中だけで麻、綿、絹にまつわる箇所をめぐることができました。
神服織機殿神社では屋根の棟で交差している千木(ちぎ)と屋根の上に横に並ぶ鰹木(かつおぎ)について吉川さんがレクチャーくださいました。千木の端が外削ぎと内削ぎ(地面に対し垂直か水平か)で、記憶が曖昧になってきてますが、男神か女神かを示していると、仰ってしたような。。鰹木は、ほんとうに脂ののった鰹のように中央が膨らんだ形状でした。
ここから伊勢河崎を目指します。途中、Hさんのご配慮でへんば餅のへんばや本店へ。へんばとは、お伊勢参りの人がここで馬を返す場所のことを言うのだそうです。ここまでの旅の疲れとあともう少しでお伊勢さんという、ほっとひと息いれるような、わくわく最高潮のような地点です。お店ではお茶付きでいただけますが、お昼ごはんを控えているので、ひとりひとつ買って、駐車場でぱくぱく。すごく美味しいかった。
伊勢河崎に到着。牡蠣の朋さんでみなでカキフライ定食。古い建物を車椅子でも入れることをきっと配慮されてリノベーションなさっている。トイレも広々とした多機能トイレでした。すばらしいなぁ。
牡蠣は暖かくてまだまだ大きいのが入らないと仰っていました。軽やかな味でいくつでもいけそう。吉川さんも橋本さんも、旧安田楠雄邸での『谷根千の編集後記』刊行記念トークの際にご来店くださったので、再会してご一緒できてとてもうれしい。
外に出ると吉川さんが屋根を見上げて、隅っこに載っている「隅蓋」を教えてくださる。瓦と瓦の継ぎ目を覆う役割も果たしているらしい屋根飾り。桃がのっていてかわいい。家によっていろいろモチーフがあるらしい。
あとは松阪を歩いていると玄関やお店の入口の注連縄飾りをよく目にしていて、秋なのに?と思っていたが、伊勢河崎にも飾られていて、大晦日に新しいものに替え一年中飾るのが慣わしなのだそう。「笑門」のほか、「蘇民将来子孫家門」というのがあって、昔旅の途中の神様を泊めた兄「蘇民将来」には福がおとずれ、断った弟には禍が続いたとの言い伝えから、お守りとしてこの家は「蘇民」の家ですよ、という示しているのだそう。
いよいよ『NAGI』(特集:マニアックな三重旅)の表紙を飾っていた、店内にトロッコの線路が残るという和具屋さんへ。伊勢まちかど博物館でもあるので入場料300円をお支払いして中へ。手前はお茶碗や酒器などを売る現役の陶器屋さんなのだけれど、奥へ奥へお店は繋がっていて、通路にはトロッコの線路跡が残っている。往時は勢田川が貨物運搬に使われていて、陸上げされた荷物を、トロッコに乗せて店内に運び入れていた名残りだそう。奥の空間は、生き字引のような当代のコレクション、お父様、お祖父様もだったかな代々のコレクション、すごろく、着せ替え、古銭、歌謡曲のレコードなどのほか、当時は売り物だった新品の大きな火鉢などが、おおらかに仕分けられて積まれていました。2階に上がると、着物なども掛けられていて、ちょっと水族館劇場ぽいよね、と山﨑さんと。
重いものは買えないので、小さなおちょこをふたつ購入。
伊勢河崎商人蔵では、黒く塗装された外壁は、(いまは違うが)昔は「ぬれがらす」という風雨に耐えるよう煤と魚の油でつくられた塗料が使われていたことを教えていただく。中に入ると柱の仕切りごとに小さなお店が入っていてたのしい。帽子を買ってしまった!
このあとHさん、吉川さんと別れ、山﨑さんとわたしたちは古本屋 ぽらんさんへ。じっくりじっくり店内を巡り滞在する。最後に山﨑さんが買い足した『伊勢人』(特集:竹内浩三が見たNIPPON)から、ぽらんのご主人・奥村薫さんの竹内浩三愛が迸る展開に。奥村さんは宇治山田市(現・伊勢市)出身の竹内浩三をずっと研究して来られたそうで、『伊勢人』の誤り箇所からはじまり、浩三の旧友とのやんちゃ時代、詩「骨のうたう」のこと、遺品の収蔵先についてなどなどいろいろ教えてくださり、戦死の哀しみをうたう詩人とはまた違うユニークな人物像が膨らみました。
そのあとは、道中で見つけた中谷武司協会に寄り伊勢和紅茶を購入(これがとても美味しかった)、銭湯・錦水湯に寄りすごく温まって、宇治山田駅から近鉄に乗って松阪まで。途中、山﨑さん行きつけのひさごさんに寄って3人で晩ごはん。カウンターの大皿から選んだり、メニューから選んだり。どれも美味しくて幸せ。看板メニュー若どりのむし焼きはするりと骨がはずれてスープともども大蒜風味でエネルギーチャージ。
山﨑さんの家に帰ってあれこれおしゃべりしながらもうひと晩酌。山﨑さんが、中里和人さんと連絡をとってくださってなんと明日の夕方sana villageに行けることに!