5月の雨降りの定休日。
古書ほうろうのすぐ近くにあるドナルド・マクドナルド・ハウス東大を訪問しました。
https://www.dmhcj.or.jp/jp-house/1600/
ドナルド・マクドナルド、そう、ハンバーガーのマクドナルドです。
いまからおよそ50年前、アメリカンフットボールのチーム「フィラデルフィア・イーグルス」の選手だったフレッド・ヒルのお子さんが白血病で入院した際に、付き添う家族の困難さを経験し、病院の近くに家族が安らげる滞在施設があったらいいのにと考え、知り合いに相談したところ、病院のそばにあったマクドナルドのフランチャイズオーナーや、小児病院の医師、フットボールチームの協力で思い描いた施設をつくることができ、マクドナルドの名前が使われることになったのだそうです。
現在世界には約390施設、日本には13の施設があり、東大ハウスは東大病院他に難病と向き合うため入院通院しているお
マクドナルドの名前はついていますが傘下であるとか経営的な関係があるわけではなく、現在もマクドナルドをはじめ大メジャー企業からスポーツ選手、個人に至るまで大勢の方からの寄付や、ボランティアというかたちのサポートがあって、維持されているそうです。
https://www.dmhcj.or.jp
自分たちは池之端に移転してきてからその存在を知りました。東大ハウスでボランティアをなさっている方がお客様になってくださったのがきっかけでした。
その後ハウスのマネージャー藤本さんとお話しする機会があり、「もっと近隣の方に周知できるといいのですが」と仰られたので、すかさず、それならほおずき千成り市です!とお誘いしたところ、トントンと話がすすみ、今年のほおずき千成り市にブースを出してくださることになりました。
さて、雨降りの訪問日。
ボランティアをしているお客様もマネージャーの藤本さんもすぐそこです、とご来店の際指差されていたのですが、想像以上にすぐそこで、池之端門をくぐり、右の坂を上り切る手前に東大ハウスはありました。仕事帰りに坂の上の木立からのぞく灯りは、ご家族やお子さんが滞在なさっていたお部屋だったのです。
東大敷地内の大きく成長した樹々のなかに建てられたハウスは、建築家・横河健による設計。木の素材が効果的に使われていてセンスよく落ち着いた佇まいで、天井の高いロビーにはいったとたん、とても居心地のよさを感じました。
施設内もご案内くださり、お部屋の並ぶフロア、そしてキッチン、ダイニングのフロアと、どのフロアからもガラス越しに外の樹々が感じられ、ホテルというよりは別荘のような印象でした。
画像は図書コーナーです。
宿泊用の個室は12部屋で、それぞれ入口にはミッフィーのキャラクタープレートがついていてお部屋のサインになっていて、キッチンの専用収納庫のドアや冷蔵庫にもそれぞれのキャラクターが付けられていました。このようなキャラクター使用許可も企業からのサポートのひとつなのだそうです。
キッチンは3台あり、自然と窓に向かうように設計されたアイランドスタイルで、ご自分のペースで食事の支度ができるようになっていました。ダイニングの奥にはリビングスペースもあり、おもちゃコーナーがあったり、DVDなども鑑賞できるようになっていて、ハウスでの外泊ができる子さんがご家族とたのしい時間を過ごせるようになっていました。
廊下などの床がカーペット敷きであるとか、ダイニングなどテーブルの上にはボランティアの方が手作りされた赤い屋根のハウス型のティッシュボックスが置かれているなど、不安と闘われているお子さんや親御さんたちが少しでも安心感を得られるような配慮が随所にみられました。
入院なさっているお子さんの中には、生まれてからずっと病院で過ごされているお子さんもいらっしゃるそうで、ハウスの運営だけでなく、入院中のお子さんのQOL向上のため「ハートフルカート」というプロジェクトも展開されていて、カートには「絵本」「おもちゃ」「文房具」「日用品」などが載せられていて、お子さんがご自身で欲しいものを選ぶたのしみを体験してもらえる機会をつくられているそうです。
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ハウスはとてもきれいに使われていましたが、2011年に建てられた建物はこの先年々メンテナンスの必要も出てきたり、利用する方も増え、とても高い稼働率で運営されているため、緊急入院でも受け入れられないこともあるなど、課題もお伺いしました。
ほおずき千成り市は、7/9(水)、10(木)の平日ですが、もしお出でくださる予定の方は、ぜひ東大ハウスさんのブースも覗いてみてください。