「ねむい」 小森岳史
ねむい
さむいひほどねむい
そらはどんよりとくもっている
雲と雲にひとすじのすきまがある
よわいひの光が
ちぎれた雲を
ところどころ照らしている
それも暗くなっていった
ぼくは部屋でお茶をのむ
きいろいあかりが支配する
あたたかく誰もいないへやで
ぼくたちの工場が
すきまからみえる
めをとじると
まぶたの裏か 脳のなかに
まばたきをして消える
ベッドにもぐると
ぼくの熱でくるまれる
つきたてのおもちのような
やわらかいきみの足で
くるまれたい
しらぬまに眠っていたのか
くらい空
黄色いあかりの部屋
あまおとがする
おもいまぶた
窓のそとはみぞれ
—
小森岳史
1970年京都府長岡京市生まれ。
1994年同人誌「テクスト」(1997年まで)。
2000年より詩の朗読イベント3K(カワグチタケシ、究極Q太郎と)。
同時期に「ポエトリーカレンダートーキョー」を創刊。
2007年よりカワグチタケシとTKレビュー。
http://shiomizaka.tumblr.com
http://www.trixisfactory.org/books/
▶ 今年いちばんの本
ライティング・マシーン―ウィリアム・S・バロウズ インスクリプト 旦敬介
(2010年の本だけど)
▶ この秋読みたい本
ファイアーウォール
ヘニング・マンケル 創元推理文庫
Double Takeshi Production Presents Poetry Reading Series vol.06
Thousandth Kitchen Revue
10月8日(月・祝)17:30 open / 18:00 start ¥1,000-