PERFORMANCE
Live Art 1909 to the present
RoseLee Goldberg
Themes and Hudson 1979 初版 英語
絵と木工のトリノコさんのガリ版グッズ、鳥や動物たちの新作が入荷しました。
初アイテム、まずはフェルトしおり二種。
フェルト地にもガリ版は刷れるのですね。刺しゅうのような繊細で温かみのある線が出ていてびっくりしました。
夏葉社さんの『冬の本』と並べると、このくらいの大きさです。
ポストカードは、二色、三色とガリ版の版を重ねた絵柄もあります。
アップにした下の写真は、あざみと小鳥(部分)です。
饒舌ではないけれど何か言いたげだったり、何を考え込んでいるのですかと問いかけたくなるような風情は、可愛いというよりなにやら長老の存在感すら漂っています。
繊細な手描きのライン、淡いカラーのいい味わいが、写真ではなかなかお伝えできませんが、陳列しているときにいらしたお客さまがさっそくしおりとカードを一枚ずつお求めくださいました。
ぜひ店頭で対面していただきたい(笑)、キャラクターたちです。
FLOWERS
JANET HARVEY KELMAN
THOMAS NELSON AND SONS(刊行年不明)
帳場の机の上に『FLOWERS』と題されたなんとも愛らしい佇まいの洋書が置かれていました。
お客さまからの買取りで入ってきたという、珍しく古めの洋書。
手に取り、目を凝らすと、ブルーグリーンの厚紙に、表紙が貼り付けてあります。おや、と裏を向けると裏表紙も、そして背表紙も、カバーの折り返し部分も全部切り貼りされています。
傷んでしまった元のカバーを外してポイと捨てずに、ひとつひとつ切り取って活かされていたのでした。
繕ったのはこの本を売りに来てくださったお客さまなのか、、はたまた前の持主か…
なにしろ扉には、
“To David
From all ? Brooklyn
June 27.1935”
と書き込みがあります!
an·an ELLE JAPON No.13 平凡出版 1970
フランスの雑誌『ELLE』の日本語版として1970年に創刊されたアンアン エルジャポンの13号です。
表紙の秋川リサが可愛いですね。立川ユリとのスペインロケが巻頭を飾ります。
写真は、吉田大朋、沢渡朔、立木義浩、三朗兄弟、篠山紀信、大倉舜二ほか、大橋歩のエッセイ、澁澤龍彦が解説を書くフランシス・ジャム『神さまの慈愛』のイラストレーションは片山健だったりと、隅から隅まで勢いがあります。
1958年から1963年にかけて刊行された「マンハント」のバックナンバーを24冊出しました。
“世界最高のハードボイルド専門誌”と銘打ち、「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」「ヒッチコックマガジン」とともに翻訳ミステリのブームを担い、後に大きな影響を与えた雑誌です。数年前に入荷したときは刊行年が偏っており、噂に聞くその魅力がいまひとつわからなかったのですが、今回は創刊号から廃刊の半年前まで、飛び飛びではありますが万遍なく揃い、ようやく誌面の変遷と本領を実感することができました。
以下、1年につき1冊ずつ選んで紹介しますので、興味を持たれた方はぜひご来店のうえ手に取ってみてください。値段は100円〜1050円。店頭販売のみです。
1958年8月号
創刊号は1958年8月1日刊行。編集長は中田雅久。片岡義男に「あなたは原稿を渡すがわの人になりなさい」と言った人です。後にこの雑誌の売り物となる読みものの類はまだほとんどなく、表紙や挿絵も垢抜けない感じ。
1959年9月号
創刊から約1年。挿画におおば比呂司が加わり、雰囲気が変わりつつあります。ピンナップが付き、読みものも増えましたが(清水俊二や永六輔など)、まだ連載はありません。
1960年4月号
この頃から俄然魅力的な雑誌に。中綴じ中心部の読みもの欄では植草甚一の連載「夜はおシャレ者」が始まり、イラストには真鍋博が加わり、江淵晃夫のコラージュは冴え渡り、ヌード・ピンナップも取り去られてます(笑)
1961年4月号
この年はなぜか真鍋博が外れ、江淵晃夫もコラージュを止め、デザイン的には一歩後退といった感。ただ新たに加わった小林嘉孝のイラストはとても魅力的。連載陣も小鷹信光、福田一郎、湯川れい子、山下諭一と大変豪華です。あと、この頃から、翻訳者の名前が作品ごとにクレジットされるようになりました。
1962年5月号
この年から、いよいよ片岡義男が執筆陣に! この号には〈義〉名義の連載「もだん・めりけん珍本市」が載ってます。復帰した真鍋博と田中小実昌とのコラボレーション「G線上のアリャ」や、諏訪優の「ヴィレッジはヒップスターでいっぱい」にもご注目を。
1963年7月号
表紙もいつの間にか洗練され、田中小実昌、児玉数夫、紀田順一郎など連載も充実と、まさに円熟期。なのにこの号を限りに「ハードボイルド・ミステリィ・マガジン」へと誌名変更、廃刊まで残すところ半年余りです。片岡義男は「世界ホット・スポットめぐり」「もだん・めりけん珍本市」に加え「現代有用語辞典」も全5本執筆と、三面六臂の大活躍。
拾遺 岩田宏
流れの中ではうまく紹介できなかったのですが、岩田宏も1960年から目次に名前が現れます。都筑道夫、真鍋博と組んでの「だれんだあ・かれんだあ」、ご隠居と八っつぁんの会話でクラシックの歴史をたどる「クラシックをモダンに聴こう」、どちらもうれしい発見でした。翻訳もクレイグ・ライスを中心に多数(小笠原豊樹ではなく、岩田宏名義)。